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【福島民報】唾液PCR、福島県が導入 安全迅速に採取 新型コロナで方針

2020.6.3

新型コロナウイルス感染拡大の第二波に備え、県は二日、感染を調べるPCR検査で受検者の唾液を検体に使用する方針を決めた。厚生労働省が実施を認めたのを踏まえて判断した。現在主に行われている鼻の奥の粘液を綿棒で取る方法よりも、安全で簡単に検体を採取できる。医療関係者の感染リスク低減にもつながる。県は各検査機関で準備が整い次第、速やかに導入する。

唾液による検査は、症状が出てから九日以内の人を対象とする。受検者に医療機関などで唾液を容器に出してもらうだけで検体を採取できる。これまでの検査方法と大きな違いはなく、現在の機器と検査キットを使用できる。

 

綿棒で鼻の奥の粘液を取る方法は、せきやくしゃみが出やすく、検体を採取する人が飛沫(ひまつ)で感染するリスクがあった。ゴーグルやガウンなどを着用して十分な感染防止策を取る必要があり、検査体制を拡充する上で課題となっていた。県は唾液での検査は安全で効率的として、各検査機関で効果を検証しながら順次、拡大する方針だ。

加藤勝信厚生労働相は二日の閣議後記者会見で、唾液を検体に使うPCR検査の実施を同日から認めると発表した。厚労省が都道府県に通知した。国立感染症研究所が作成する検体採取のマニュアルを変更し、二日から公的医療保険の適用対象にした。

■検査1日最大570人に

県内のPCR検査体制は現在、一日当たり最大で四百五十人分となっている。県衛生研究所で四十八人分、福島市保健所で十六人分、郡山市保健所で十六人分、いわき市保健所で十人分、福島医大で十人分、江東微生物研究所(いわき市)で二百五十人分を検査できる。東京都の民間検査機関のエスアールエル、昭和メディカルサイエンスにそれぞれ五十人分を委託している。

県は新たにPCR検査機器を複数台購入し、六月中に一日当たり百二十人分増やし、計五百七十人分とする計画だ。