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【福島民報】宿泊者10万人に金券 1人1000円分 福島県が追加支援

2020.6.26

新型コロナウイルス感染拡大で深刻な影響を受けた県内観光業の再生に向け、県は旅館やホテルの宿泊者のうち、申請した先着十万人に飲食店や観光施設などで使えるクーポン券(金券)を配布する。一人に付き千円分を贈り、購買意欲をかき立てる呼び水とする狙い。県民限定で展開している宿泊費補助事業の「県民割」に加え、金券配布で日本酒や伝統工芸品など県産品の振興につなげ、相乗効果を図る。外出自粛で冷え込んだ地域経済を早急に活性化させる。

二十五日の六月定例県議会代表質問で県民連合の椎根健雄議員(郡山市)の質問に内堀雅雄知事が明らかにした。対象となる宿泊日など詳細な事業内容を今後詰めるが、金券は県内の宿泊施設の宿泊者一人に付き一回限定での配布を想定している。対象は県民、県外在住を問わない。市町村が推薦した各地域の観光物産協会など観光関係団体が金券を配る。市町村ごとに少なくとも一カ所の配布場所を設ける。

宿泊施設の領収書を配布場所で提示すると、金券がもらえる。観光物産協会などが今後、金券を使える飲食店や観光施設を選定する。七月中旬の配布開始を目指している。

県によると、昨年七月から九月までの三カ月間に県内の宿泊施設に宿泊した県民は、平均すると一カ月当たり約十二万人だった。新型コロナウイルスの影響が大きかった今年四月は前年同期比で約75%減少したため、試算すると九万人の減少となる。県はこれに一万人を上乗せした十万人を配布数に設定した。

県観光交流課は「観光業を後押しし、経済波及効果を生み出したい」としている。

■40%上乗せ商品券発売へ 福島県3施設で利用可能

県は金券の他に、福島市の県観光物産館など三施設限定で使える40%上乗せのプレミアム付き商品券を八月上旬にも発売する。

五百円つづり十四枚を一セットとして五千円で販売し、七千円分の買い物ができる。三万五千セットを発行する。利用期間は来年一月末までを予定している。

購入先も利用先も福島市の県観光物産館、東京都の日本橋ふくしま館MIDETTE(ミデッテ)、大阪府の県観光物産館大阪サテライトショップの三カ所。東京都と大阪府で商品券を購入した人には福島市の県観光物産館で利用できる三千円分の買い物券を付ける。県外の観光客を県内に呼び込む。

金券とプレミアム商品券の事業費を盛り込んだ二〇二〇(令和二)年度一般会計補正予算案を六月定例県議会に提出している。

内堀知事は答弁で「県民に福島のさまざまな光を再発見してもらい、地域経済再生の大きな輝きへとつなげられるようにしたい」と述べた。